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見つめよう 歩みだそう 3・11後の教育と憲法(2)

 昨日の「教育子育て九条の会第4回全国交流集会」のオープニングで、東京高校生平和ゼミナール連絡会の活動が紹介されましたが、『子どものしあわせ』11月号(日本子どもを守る会編集)にメンバーの田中さんが記事を書いています。沖縄戦と基地問題について書かれたところを抜粋して紹介します。
 「核兵器・原発も軍事基地もない平和な世界をつくりたい -長崎・沖縄平和学習旅行に参加して」
(前略)…私が沖縄で一番印象に残っているのは、宮城喜久子さんの「次世代に伝えたいこと~ひめゆり学徒の証言」でした。話の中で「始めは血の出ている人も見るのが辛かったが、『我慢しろ、我慢しろ』と言われているうちに、血の出ている人も死んでしまっている人も見るのに慣れていった。女の子は女の子ではなくなっていき、人間らしさもなくなっていった」と言っていました。いまの私たちと同じくらいの女の子が将来の夢とかこれからやりたいことが私たちと同じようにたくさんあるはずなのに、毎日暗いところで人間らしさまで奪われるようなことをさせられていたのです。私だったら絶対逃げ出しているな、と思いました。しかし、この時代にはそう思わせないような教育があったということも学びました。宮城さんの話を聞いた日の昼に、南部戦跡の見学へ行き、糸数壕とひめゆり平和祈念資料館へ行きました。ひめゆり平和祈念資料館には、亡くなった人たちの写真とこの人はどういう人だったのかということが一枚一枚記録されていました。壕の中はとても暗く、このようなところで働かされたら、明日生きる希望なんてどうやって生み出すのだろうと感じました。これらを見て体験した夜に宮城さんの話を聞いたので、とても生々しかったし、聞いていてとても辛かったです。
 このように沖縄戦で苦しい体験をし、戦争を憎む沖縄の人たちのフェンスを挟んだすぐ横にいまもあるのが米軍基地です。普天間基地や嘉手納基地へ行き、基地と住宅地の距離の近さを自分の目で見てよくわかりました。
 米軍機墜落の可能性や犯罪におびえ、騒音に苦しみながら沖縄の人たちは生活しているのです。さらに沖縄にある基地から米兵が海外へ戦争に行き人を殺しているのです。宮城さんはこのことをものすごく悔しいと話していました。戦争を知る沖縄の人がこれを許すはずがありません。
(中略)…私は、いま、戦争体験を証言し訴えている人たちの気持ちを受け継ぎ、次世代に伝えていき、仲間と共に米軍基地の撤廃を訴え、憲法九条を守っていきたいと思います。
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 私は、この日(12月3日)の夜、沖縄の若者たちによる舞台劇「フクギの雫 ~沖縄・宮森小学校米軍機墜落事件から52年~」を観劇しました。http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184803-storytopic-1.html
東京と沖縄の若い人たちが、同じように戦争と平和について考え、行動していいることに希望を感じました。
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 集会アピール

 東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故により、一瞬にして多くのいのちが奪われ、日常のいとなみが破壊されてしまいました。ひろがるばかりの放射能汚染は、子どもたちと日本の未来に限りない不安をもたらしています。
 集会では、心に深い傷を負いながら健気に生きる子どもたちや、救援活動にとりくむ青年の姿、子どもたちを放射能汚染から守ろうと行動を起こしている若い母親たちをはじめ、全国の人々の様子が語られました。
 被災地のがんばりと全国の連帯のひろがりは、あきらめない気持と助けあうきずなの尊さをあらためて示しました。
 一方、子どもの貧困率は15.7%(2009年度)におよび、大震災により新たな貧困と格差もひろがっており、子どもたちが幸せに育つことを困難にしています。
 橋下前府知事と大阪維新の会による「教育基本条例」制定のねらい、石原都政による「日の丸・君が代」の強制など、教育への乱暴な政治介入や教職員への管理・統制・処分は、憲法に違反し教育の自由と自主性を侵すものであり、それは子どもたちの成長をゆがめることにつながります。
 新学習指導要領による学習負担増と競争の教育、侵略戦争を美化し国家に柔順な人づくりをねらう「つくる会」系教科書の採択のひろがり、保育を市場原理にゆだねる「子ども子育て新システム」導入の動きなど、子どもたちと教育をめぐる問題は山積みです。
 非常事態条項の新設など大震災をもロ実として、改憲を急ごうとする国会の憲法審査会や、国政選挙の比例定数削減のねらいも見逃すことはできません。

 私たちは、子どものいのちをいつくしみ豊かな成長をはぐくむために、「憲法の視点にたち大震災の復旧・復興を」「教育と子育てに憲法を生かそう」と、いまこそ大きく声をあげ力をあわせようとの意志を固めあいました。
 長年の世論と運動の積み上げにより、小学校1年生の35人学級、高校授業料の無償化が始まりました。東京・杉並区における「つくる会」系教科書の不採択や、沖縄・八重山地区をはじめ教科書を守る市民の運動も各地で力強くすすんでいます。
 障害のある子どものいのちを大切にする性教育をすすめた、都立七生養護学校への不当な攻撃・介入に対する裁判も地裁・高裁ともに勝利しています。
 「9条を守ろう」の一点で草の根の人々をつなぐ「九条の会」の活動もひろがっています。
 平和と子どもたちの幸せを願う全国のみなさん
 力をあわせて、改憲の動きをはばみ、憲法と子どもの権利条約を具体的に生かすとりくみをすすめていきましょう。

2011年12月3日
教育子育て九条の会 第4回全国交流集会(東京集会)

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