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「内部被ばくを生き抜く」/被爆者の声をうけつぐ映画祭2012

 9月14日から16日の3日間、明治大学で「被爆者の声をうけつぐ映画祭2012」が開催されました。私は、最終日、16日の午前中に上映された、鎌仲ひとみ監督の「内部被ばくを生き抜く」を鑑賞しました。
 会場には、写真パネル「ヒロシマ・ナガサキ 原爆と人間」が展示され、映画上映の後には12歳の時長崎で被爆された山本英典さん(日本被団協事務局次長)のお話しがありました。
 ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下で、かろうじて命をとりとめた被爆者が急性原爆症で次々と命を落とし、さらに5年、10年経ってから白血病やガンによって多くの被爆者が亡くなったことの事実の重さを、私たちは改めて考えなくてはいけないと思いました。被爆者たちは、白血病やガンだけではなく、さまざまな病気に苦しめられています。
 チェルノブイリの原発事故(1986年4月)から25年以上経った今日、その汚染地域周辺の子どもたち現れている健康障害の問題から、内部被ばくや長期の低線量被ばくのもたらす疫学的な研究も進展しています。放射線がDNAを切断してガンなどを引き起こすことは広く知られていますが、最近ウクライナの研究によると、長期の低線量被ばくで細胞内のミトコンドリアに異常が生じて、それがさまざまな疫病を引き起こすと指摘されています。
 福島第一原発事故でまき散らされた放射性物質は、東日本の多くの住民に見えない恐怖を与えています。線量計の普及と除染によって外部被ばくの心配がないところまでいっても、食品や土ぼこりに含まれる放射性物質は、今後長い間、注意していかなければいけません。特に放射能の影響を受けやすい子どもたちに安全な食べ物と環境を保障することは絶対に必要です。被ばくによる差別や偏見をなくすためにも、正しく放射能の健康被害について知ることと予防することが大切だと思いました。
映画祭2012資料.jpg
原爆と人間.jpg

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