SSブログ

戦争の真実を知ること

 尖閣諸島問題を軍事力で解決しようとする政治家が発言を強めていますが、国民を守ることと、国土を守ることは、相反することが往々にしてあります。
 関東軍の謀略によって南満州鉄道が破壊された柳条湖事件(1931年9月18日)を口実に、日本の中国侵略戦争が拡大していきました。関東軍は、柳条湖事件を張学良軍の仕業であるとして軍事行動を開始して、翌1932年初頭までに満州全土をほぼ制圧し、32年3月に溥儀(ふぎ)を執政にすえた傀儡(かいらい)国家「満州国」がつくられました。
 「関東軍」というのは、日本が日露戦争で獲得した関東州と南満州鉄道という大きな権益を守るために関東州に設置された守備隊を、1919年に関東軍という名称に変え、天皇に直属する有力な部隊に格上げしたものです。守備隊も関東軍も同じ軍隊ですが、名前と位置づけが変われば国を挙げた侵略戦争へと暴走していくのです。
 日本軍は、日中戦争で非道きわまる虐殺を繰り返しました。国民がそれを望んでいたわけではありません。大本営発表により国民をマイルドコントロールし、「非国民」を容赦しない恐怖政治によって、国民総動員を成し遂げたのです。
 1945年4月1日、米軍が沖縄本島に上陸して始まった沖縄戦では、本土決戦準備の時間を稼ぐこと、国体を護持すること(天皇制を守る)のために降伏を許されず、およそ3か月にわたり激しい戦闘が続き、日本軍により壕から追い出された住民は、自決を強要されるなど、さまざまな虐待・虐殺などにより死の道連れにされ、軍人よりも多くの犠牲者を出すことになりました。
 総選挙で多数の議席を得た自民党は、憲法「改正」をめざしていますが、九条を変えて国防軍を設けることは、再び恐怖政治で国民を縛り、他国と日本の市民に戦争の犠牲を強いるという、歴史の過ちを繰り返すものです。戦争の真実を知り、子どもたちに伝えていくことは、平和に生きる権利を守り、世界に広げていくために必要な、良識ある日本人の責任だと思います。

 
 
 
 
nice!(40)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 40

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0