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第5回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞

今日、DAYS JAPAN 5月号が届きました。第5回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞特大号です。
表紙は、審査員特別賞の「コロンビア 十代のゲリラたち」(ダミアン・フェルー撮影)です。屈託ない笑顔を見せる少女が持っているのは重たい機関銃です。私は、世界でおきている戦争について、まだまだ知らないことが多いと思いました。
DAY JAPAN を主宰している広河隆一氏は巻頭で、「写真は撮影する人間のアイデンティティを問うとともに、それを審査したり、見る者のアイデンティティも問う」と述べています。このフォトジャーナリズム大賞の基準は「人間と自然の尊厳が脅かされ、奪われている状況を告発する作品、あるいは人間と自然の尊厳をたたえる作品」です。
私が衝撃を受けた作品は、「カザ空爆」(モハンメド・アベド撮影)です。空爆は、爆弾を落とした人間が地上でおきていることを実感できないことが恐ろしいと思います。爆撃を受けた人間は、血を流し、息絶え絶えに死んでいきますが、その悲鳴や血のにおいを想像すれば人間のできる行為ではありません。「一晩中続いた空爆で殺害され、遺体安置所に並べられたパレスチナ人の幼い5人の兄弟」の写真を見て私は、どんな理由があってものこの戦争を許すことできないと、強い憤りを感じました。
「四川大地震」(ジェイソン・リー撮影)は、家族を失った人たちの悲痛の叫びが映し出されていますが、命の尊さを拾い集めようとする撮影者の心がそこに感じられます。
審査員講評では、広河氏が「日本の問題を撮影した日本人の作品が少ないことが毎回問題となる」と述べていますが、私も、日本のマスコミが報道しない、日本の光と影を世界の人々に見てもらえるような報道写真を期待しています。大石芳野氏は「私たちに繋がる世界はこんなにも問題を抱えているということを知って気が重く、自分自身が沈んでいくような気持ちだ。どの写真も力強く、紛争、戦争、恐怖政治といったテーマが多かった。いつもは人々の暮らしや風俗といった作品もあって慰められたが、今回は少なく、どれも胸を刺す写真だ」と述べています。ぜひ多くの人に、知ってもらいたい、見てもらいたいフォトジャーナリズムです。掲載されている写真の一部を DAYS JAPAN のホームページで見ることができます。
http://www.daysjapan.net/taishou/index2.html
タグ:空爆
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フーミン

TV 写真報道で 何でも見ているつもりになっていますが

一歩深く 最前線で起きていることは なかなか つかめない物ですね。

歴史的大局観と その中で生きる人々の息ずかいまでわかる臨場感

両方が 必要ですね。

日本人は いつの間にか 傍観者になっていないか 杞憂でしょうか。 
by フーミン (2009-04-20 13:53) 

MITURU

フーミンさん、コメントありがとうございました。
ソマリアの問題でも、海賊への対処ばかりが問題とされ、その国がどうして荒廃してしまったのか、その歴史と現実が報道されないのはおかしなことだと思います。武器を使えば暴力の連鎖を生み出すということが歴史の教訓ではないでしょうか。
by MITURU (2009-04-20 21:21) 

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