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ベトナム「枯れ葉剤の日」=オレンジデー

ベトナム戦争で米軍が1961年~1971年にわたって散布した枯れ葉剤には、猛毒物質ダイオキシンが含まれていたために、障害を持った赤ちゃんが多く生まれました。大地に蓄積した枯れ葉剤は、長い間住民の健康被害をもたらしてきました。ベトナムでは、8月10日をオレンジデーとして被害者救済のイベントが行われました。新聞記事を紹介します。
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8月10日は「枯れ葉剤の日」 被害者支援 活発に

 1961年に米軍がベトナム侵略戦争で初めて枯れ葉剤を散布した8月10日を「オレンジデー」として、枯れ葉剤被害者への支援を訴える運動がベトナム国内で活発化しています。8日夜にはハノイでテレビ放送で生中継されるイベントが開催され、被害者が苦難を訴えました。(ハノイ=井上歩)

 イベントでは、元南ベトナム軍兵士のマイ・ザン・ブーさんが、米軍から「除草剤」といわれ、猛毒ダイオキシンを含むとは知らずに枯れ葉剤を散布させられたと発言。「自分も枯れ葉剤を浴び、子どもは3人とも15歳ごろに寝たきりになり、20代前半で死んだ。正義を取り戻すため、一緒にたたかいたい」と話しました。
 視力のない3人の子を産んだフン・ティ・ヒエンさんは、子どもを育てるため、教員でありながら農作業や物売りをしたと発言しました。音楽学院を卒業した歌手であるヒエンさんの長男が、歌声を披露しました。
 イベントでは、電話での激励が寄せられ、携帯電話のメールサービスによる募金も呼びかけました。国内企業からの募金も手渡されました。主催者の枯れ葉剤被害者の会はオレンジデー運動で約600億ドン(約3億2000万円)を集め、施設600以上を建設、1100人に奨学金を発給し、1100人の雇用を創出したいとしています。
 米連邦最高裁はことし3月、ベトナムの被害者が起こした枯れ葉剤製造企業に対する賠償請求を棄却。以後、ベトナムでは「正義」や被害者支援を求める世論と運動が高まっています。23歳の被害者女性は3月、オバマ大統領にあてて手紙も出しました。5月には国際民主法律家協会がパリで開いた市民法廷が、米政府の責任と国際法違反を指摘しました。
 グエン・ミン・チエット国家主席は8日のイベントで「正義を求めるこのたたかいは、困難だがかならず勝利すると信じている」とあいさつしました。
 「オレンジデー」の名称は、米軍が主に使用した枯れ葉剤「エージェント・オレンジ」からつけられています。
【2009年8月11日(火)「しんぶん赤旗」】
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◆枯れ葉剤 ベトナム侵略戦争中の1961年から71年まで、米軍は遺伝子異常やがんを引き起こす猛毒物質ダイオキシンを含む枯れ葉剤約7600万リットルを散布しました。ベトナム政府が認定する枯れ葉剤被害者は約300万人。米政府は96年に参戦米兵の枯れ葉剤被害を認め、枯れ葉剤製造企業も84年に参戦米兵に1億8千万ドルを支払いましたが、ベトナムに対する加害は公式に認めていません。
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